- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 日本で誤解されている都市型リゾートのビジネスモデル
日本で誤解されている都市型リゾートのビジネスモデル

マリーナ・ベイ・サンズのカジノフロア Pablo Sanchez-REUTERS
<シンガポールに代表される都市型の統合型リゾートでは、収益の柱は国際会議で、カジノは余暇を楽しむサービスとして提供されているだけ>
巨大ホテルにカジノなどの娯楽施設を併設した、統合型リゾート(Integrated Resort, IR)というのが日本経済の浮揚には必要だという議論がありますが、これに対して「カジノの解禁はギャンブル依存症を生み出す」という反対意見もあります。
例えば、先行しているシンガポールのカジノの場合は、自国民には高額な入場料を課しており、依存症と思われる事例にはケアを行うなどの方策を取っています。というのは、ギャンブルの依存症というのは厄介な問題だからです。
他の依存症が「リスクや不安感情に負ける」という「人間の弱さ」に由来するものが多い一方で、ギャンブルの場合は「自分だけは勝てる」という根拠のない自信を抱いてしまうという複雑な心理の病だからです。ですから、まさにシンガポールが実践しているように、「あくまで外国人向けのちょっとした遊び場」という環境にしておいて、弊害を何らかの規制で抑え込むということは必要でしょう。
その一方で、このIRというのは一体どのようなビジネスなのかという点を考える必要があると思います。世界的に見て、IRには2種類あると考えられます。リゾート型と都市型の2種類です。
リゾート型の方は、カリブ海などが典型ですが、観光地に建設して休暇をそこで過ごすというタイプのものです。こちらについては、日本でも北海道や九州などで熱心な誘致活動がされているようですが、私はあまり可能性を感じません。というのは、「他にもたくさん選択肢がある」中で「あえて日本で休暇を過ごす」ことを選ぶような層は、欧米系にしてもアジア系にしてもカルチャー志向か自然志向であって、「ギャンブル」の市場とはあまり重ならないからです。
その一方で、可能性ということでは都市型の方がありそうです。この都市型IRということで言えば、他でもないシンガポールの「マリーナ・ベイ・サンズ(MBS)」という巨大施設がモデルになると思います。では、このMBSというビジネスでは、カジノが収益の柱かというとそうではありません。
都市型IRの収益の柱というのは国際会議です。国際会議というと、国連やG20などの公的機関によるものを想像しますが、それだけではありません。収益モデルとしては、民間ベースの国際会議というのが、一番の柱になると思います。
どういった内容かというと、各業界における先端技術関連のディスカッション、そして規制やルール作りのためのディスカッションといった種類のものです。例えば、今年の場合ですと、自動運転車やフィンテックに関する国際会議というのは「旬の話題」であって、世界中で大小の会議が行われています。
日本の核武装コストは、どのように計算すれば良いのか 2025.08.20
被爆80年の今、真剣に議論しなければならないこと 2025.08.06
戦後80年に必要な3つのメッセージを考える 2025.07.30
参院選が引き起こした3つの重たい事実 2025.07.23
さらに複雑化したニューヨーク市長選の対立構図 2025.07.16
アメリカの保守派はどうして温暖化理論を信じないのか? 2025.07.09
熱中症対策の決定打が、どうして日本では普及しないのか? 2025.07.02
-
経理・財務/スタッフ/経験者歓迎/20~40代活躍中/マネジメント業務あり,外資系企業,英語使用,土日・祝日休み,残業月20時間以内,フレックスタイム制
サンテックパワージャパン株式会社
- 東京都
- 年収600万円~750万円
- 正社員
-
経理・財務/スタッフ/経験者歓迎/20~40代活躍中/外資系企業,英語使用,土日・祝日休み,残業月20時間以内,育休・産休実績あり,リモートワーク可
ジェロボーム株式会社
- 東京都
- 年収360万円~504万円
- 正社員
-
役員・その他/CFO候補/経験者歓迎/20~40代活躍中/外資系企業,英語使用,ベンチャー企業,残業月20時間以内,フレックスタイム制
ソウルオブジャパン株式会社
- 東京都
- 年収800万円~1,200万円
- 正社員
-
経理・財務/マネージャー候補/経験者歓迎/20~40代活躍中/外資系企業,英語使用,土日・祝日休み,フレックスタイム制,育休・産休実績あり
Vpon JAPAN株式会社
- 東京都
- 年収600万円~900万円
- 正社員