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【写真特集】ベネズエラ難民の母子、苦難の旅を行く
VENEZUELAN MOTHERS RUSH TO MIGRATE
Photographs by CARLOS GARCIA RAWLINS
マリオス・アルマス(28)
入国センターで娘のエリマール(2)を抱きながら涙を流し、「ミルク! シャンプー! 何もかも!」とベネズエラの品不足に怒りをぶちまける。「物が手に入って、普通に暮らせる所に行きたいだけ」。ここにたどり着くまでの道中でも混乱していたようで、「小道を通り、川を渡ってコロンビアに入った。でも私は国境で通用するIDを持っていたし、一緒にいた人の中にはパスポートを持っている人もいた。なのに、なぜ橋を渡らなかったのだろう」。
ネメシス・ラミレス(22)
アイリン(6)とレイマー(5カ月)を連れ、夫が暮らすペルーへの入国を3カ月もの間待ち続けている。「案内人を雇ったが、最悪だった。(途中の町で)4日間置き去りにされ、私は家に戻りたくなって泣いていた。でも娘が、旅を続けたいと言った。父親に会いたいって。彼女が強いのなら、私はもっと強くなければ」と、ラミレスは言う。「何もかも置いてきた。娘のために人形の1つも持ってきてやることはできなかった」
撮影:カルロス・ガルシア・ローリンス
ロイター通信のフォトグラファー。もともと地球物理学を学んでいたが、写真に興味があったパートナーと共に写真の課程に参加したことから写真家の道へ。ベネズエラの政治、経済、社会問題などを中心に取材している。カラカス在住
<本誌2019年7月30日号掲載>
<「Picture Power」の過去記事(2010年3月~2018年6月)の一覧はこちら>
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