コラム

パックン流、ゲスな賄賂の撲滅法

2016年01月25日(月)15時00分

 今回も真実はまだ見えていないが、見た目は非常に良くない。僕は甘利大臣に対して非常にいいイメージを持っていたし、TPPでかなりいい仕事をしたと評価している。だからこそ、今回の騒動は個人的にもショックが大きい。いつものパターンだと、この後には「大臣には告げず、秘書がお金をもらっていた」という主張になる。まさに、現金を受け取ったのは「私以外!私じゃないの!」と否定するわけだ。(僕も便乗しちゃった!)でも、その主張が通じても、国民の信頼を取り戻すことはなかなかできない。

 ということで、国民の信頼挽回のためにも、政治家本人のイメージ保護のためにも、民主主義制度の健全化のためにも、政治献金制度や概念を見直す必要があるのではないか。そもそも献金と賄賂の見分けがつきにくいから、理想は政治活動を公金でまかなえるようにし、個人や企業からの献金や贈与を全て禁止することかもしれない。もちろんとらやの羊羹もアメリカンスナックもだめ。政治献金をなくせないなら、例えば、「誰から誰へ」、「いつ」、「いくら」献金されたのかが政治家本人に、知らされない、わからないような「完全匿名義務」も考えられよう。この二つは非現実的だと言われるかもしれない。でも、とりあえず全ての政治献金の詳細を、明快に整理し通告することは今でもすぐできるはず。

 そうだ! 番号で管理するシステムがいい! 名前として「賄(ワイ)ナンバー制度」でいかがでしょうか。

プロフィール

パックン(パトリック・ハーラン)

1970年11月14日生まれ。コロラド州出身。ハーバード大学を卒業したあと来日。1997年、吉田眞とパックンマックンを結成。日米コンビならではのネタで人気を博し、その後、情報番組「ジャスト」、「英語でしゃべらナイト」(NHK)で一躍有名に。「世界番付」(日本テレビ)、「未来世紀ジパング」(テレビ東京)などにレギュラー出演。教育、情報番組などに出演中。2012年から東京工業大学非常勤講師に就任し「コミュニケーションと国際関係」を教えている。その講義をまとめた『ツカむ!話術』(角川新書)のほか、著書多数。近著に『パックン式 お金の育て方』(朝日新聞出版)。

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