「フランス軍がテロリストを訓練している」──捨てられた国の陰謀論
ワーグナーは形式的には民間企業だが、実質的にはロシア軍の「影の部隊」とみられている。ロシアは自軍兵士の犠牲を嫌う欧米と対照的に、激しい戦闘も厭わない軍事協力をテコにアフリカで「頼りになる大国」としての認知を高めており、ワーグナーはその重要な手段だ。
ワーグナーとの契約にフランスは難色を示し、マリに再考を促したが、マイガ首相は「ロシア企業はフランス軍より上手くやるだろう」と述べて、これをはねつけたという。また、マイガ首相は英BBCに対して「フランスと異なり、ロシアはマリの政治に干渉しない」とも述べている。
高まる反フランス感情を背景に、マリの首都バマコでは暫定政権支持者がしばしばフランス国旗を燃やし、逆にロシア国旗を高々と掲げてデモ行進を繰り広げている。
こうした対立を踏まえると、マイガ首相の「テロリストの訓練」発言は示唆的だ。つまり、家父長の権威を貶めることで、「フランスに虐げられる気の毒なアフリカを救うためにロシアが手を貸す」という構図を描き出し、ロシアがアフリカに進出しやすくするものだ。
その意味で、マリとフランスの対立で笑うのはロシアであり、「テロリストの訓練」発言はシリアなどでみられた、イスラーム過激派に対するロシア軍の苛烈な攻撃の狼煙になるとみられるのである。
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
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