コラム

大統領選後の暴動・内乱を警戒する今のアメリカは途上国に近い

2020年11月05日(木)19時00分

トランプ支持者には「アメリカが'影の国家(ユダヤ人、FBI、リベラルなどのエリート・ネットワーク)'に乗っ取られている」という陰謀論を標榜するQ-Anonをはじめ、現在のアメリカ合衆国をそもそも信頼していない者が目立つ。それだけ現実が彼らの望むものとかけ離れているのだろうが、そのなかで「不当な公権力」への被害者意識や義憤が強いほど、「自分で自分を守らなければならない」となる。

トランプ大統領に「待機」を命じられた右派民兵にとって、トランプ氏に不利と考えられる郵便投票は、まさに不当な公権力による謀略以外の何物でもなく、郵便投票を支持する者を「同じアメリカ人」とはみれなくなっていても不思議ではない。

こうしてみると、アメリカ人が誇ってきた民主主義は、今や一周回って途上国のものに近づいているように映る。この状況は、今回の選挙でトランプ大統領が勝っても負けても大きく変わらないとみられる。トランプ大統領は国内分裂を促してきたが、彼だけがその原因ではなく、トランプ大統領の登場そのものが、アメリカがすでに分裂していた結果なのだから。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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プロフィール

六辻彰二

筆者は、国際政治学者。博士(国際関係)。1972年大阪府出身。アフリカを中心にグローバルな政治現象を幅広く研究。横浜市立大学、明治学院大学、拓殖大学、日本大学などで教鞭をとる。著書に『イスラム 敵の論理 味方の理由』(さくら舎)、『世界の独裁者 現代最凶の20人』(幻冬舎)、『21世紀の中東・アフリカ世界』(芦書房)、共著に『グローバリゼーションの危機管理論』(芦書房)、『地球型社会の危機』(芦書房)、『国家のゆくえ』(芦書房)など。新著『日本の「水」が危ない』も近日発売

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