コラム

日本はトランプ政権に「身構える」よりも「見習う」べき

2024年11月28日(木)11時05分

米国の経済成長率の推移と比較すると、3%の経済成長はかなり高い伸びであり、妥当性については議論が分かれるだろう。ただ、適切なマクロ安定化政策を行い、市場メカニズムを徹底するために規制緩和を進めることで、政府が経済成長率を高める方針を明示することは重要だ。

第一に高い経済成長を実現して、それが税収増をもたらすので、財政収支も持続可能性も高まる、というのがベッセント氏らの考えとみられる。そして経済全体の成長があって、エネルギーセクターなどの伝統的産業も復活できる。これが「トランプ流の3本の矢」なのだろう。

新たな財務長官のもとで、関税引き上げそして減税政策のタイムスケジュールと、適用品目の対象や税率引き上げが、今後決まっていくとみられる。実際には、関税引き上げはディールの手段として使われるだろうが、米国にとってライバルと位置づけられている中国を除けば、米政権の交渉姿勢は国によって異なるだろう。

トランプ政権との交渉を上手く乗り切るためには

当然ながら、日本を含めた諸外国の政治リーダーが、関税引き上げなどの要求に対して、国益を守る対応を余儀なくされる。石破政権も、近い将来かなり高度な政治判断を行う必要に迫られるかもしれず、当然ながらトランプ政権に身構えながら対峙することになるだろう。

プロフィール

村上尚己

アセットマネジメントOne シニアエコノミスト。東京大学経済学部卒業。シンクタンク、証券会社、資産運用会社で国内外の経済・金融市場の分析に20年以上従事。2003年からゴールドマン・サックス証券でエコノミストとして日本経済の予測全般を担当、2008年マネックス証券 チーフエコノミスト、2014年アライアンスバーンスタン マーケットストラテジスト。2019年4月から現職。『日本の正しい未来――世界一豊かになる条件』講談社α新書、など著書多数。最新刊は『円安の何が悪いのか?』フォレスト新書。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

東電株が一時14%超高、資本提携に関する報道で

ビジネス

春闘が集中回答日迎える、三菱電・三菱重など満額回答

ワールド

イラクの米国大使館に2日連続ドローン攻撃、周辺で爆

ビジネス

米ボーイング、商用機部門の黒字化は予想より遅い20
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在の価値でどれくらい? 誰が何のために埋めた?
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    「危険な距離まで...」豪ヘリに中国海軍ヘリが異常接…
  • 8
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 9
    「目のやり場に困る...」グウィネス・パルトロウの「…
  • 10
    戦争反対から一変...湾岸諸国が望む「イランの脅威」…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 3
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 6
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 7
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 8
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 9
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 10
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story