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東金市女児殺害事件から15年──「不審者探し」の副作用と、日本の防犯対策に欠けた視点とは?
こうした視点から、犯罪機会論では、犯罪者が選んだ場所、つまり犯罪者が犯罪に成功しそうだと思った場所の共通点が研究されてきた。その結果、犯罪者が好む場所は、「(だれもが)入りやすく、(だれからも)見えにくい場所」であることが分かった。
「入りやすい場所」では、簡単に怪しまれずに標的に近づくことができ、犯行後すぐに逃げられそうなので、捕まりそうな雰囲気はない。一方、「見えにくい場所」では、気づかれたり、邪魔されたりすることもなく、犯罪を完結できる。また、目撃されにくく、警察に通報されることもなさそうなので、捕まりそうな雰囲気がない。
このように、だれもが入りやすく、だれからも見えにくい場所は、犯罪者も入りやすく、犯行が見えにくい場所なので犯罪者に好まれる。ほとんどの犯罪は、この「入りやすく見えにくい場所」で起きている。犯罪の予測にとって必要なことは、「入りやすい」「見えにくい」というキーワードを意識し、この「物差し」を使いこなせるようになることである。
「人目につきやすい場所」の落とし穴
ところが、ほとんどの人はキーワードの重要性に気づいていないのが現状だ。このことは、冒頭で触れた千葉県東金市の女児殺害事件についても確認できる。
東金の事件について、マスコミは、「現場は人目につきやすい場所」「四方八方が見渡せる」などと報じたが、現場は物理的にも心理的にも「見えにくい場所」だ。しかも、そこは、07年に兵庫県加古川市で、小学2年生の女児が刺殺された場所に驚くほどよく似ている。
東金と加古川の遺体発見現場のどちらも、真向かいには一戸建ての住宅がある。しかし、それ以外から人の自然な視線が注がれることは期待できない。というのは、東金の現場は、資材置き場、公園、および空き地に囲まれ、加古川の現場も、空き地と空き家に囲まれていて、だれにも見てもらえそうにないからだ。
どちらも真向かいに住宅があるものの、道路にはカーポートが接しているため、その分、建物が後退していて視線が注がれにくくなっている。より重要なことは、1カ所からの視線が確保されているだけでは「見えやすい場所」にはならないということだ。
犯罪者は、同時に2カ所からの視線の有無は確認できない。そのため、2カ所から自然な視線が注がれている場所では犯行をためらう可能性が高い。しかし、1カ所からの視線の有無であれば容易に確認できる。したがって、自然な視線を期待できるのが1カ所しかない場所では犯行をためらう可能性は低いのだ。
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