コラム

大阪・小4女児行方不明から20年──事件現場に見る、犯罪が起きやすい場所の条件

2023年05月12日(金)10時15分

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筆者撮影

前出の柏崎市監禁事件の連れ去り現場は、もう一つのパターン、つまり、死角はないものの視線もない「見えにくい場所」だ。連れ去り現場となったのは、田んぼ道だった。

田んぼ道は、周囲をよく見渡せるが、そこには家の窓がないので、この道に周りから視線が注がれることは期待できない。さらに、この道にはガードレールがないので、車を使う犯罪者にとっては「入りやすい場所」でもある。

こうした景色が物理的に「見えにくい場所」だ。

なお、詳論する余裕はないが、心理的に「見えにくい場所」にも、管理が行き届いてなく、秩序感が薄い場所と、不特定多数の人が集まる場所という二つのパターンがある。

このようにして、危険な「入りやすく見えにくい場所」と、安全な「入りにくく見えやすい場所」を見分ける能力を「景色解読力」と言う。その能力を伸ばすには、VR(バーチャルリアリティ)が有効だ。

この視点から、神奈川県藤沢市では、防犯体験学習VRが活用されている。360度、前後左右上下を見ることができるので、「景色解読力」を高めるには、もってこいのツールである。ぜひお試しあれ。

プロフィール

小宮信夫

立正大学教授(犯罪学)/社会学博士。日本人として初めてケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科を修了。国連アジア極東犯罪防止研修所、法務省法務総合研究所などを経て現職。「地域安全マップ」の考案者。警察庁の安全・安心まちづくり調査研究会座長、東京都の非行防止・被害防止教育委員会座長などを歴任。代表的著作は、『写真でわかる世界の防犯 ——遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館、全国学校図書館協議会選定図書)。NHK「クローズアップ現代」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビへの出演、新聞の取材(これまでの記事は1700件以上)、全国各地での講演も多数。公式ホームページとYouTube チャンネルは「小宮信夫の犯罪学の部屋」。

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