コラム

「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇跡の成長をもたらしたフレキシキュリティーとは

2025年10月14日(火)19時18分

企業ガバナンスは「財団所有型」という北欧独特の形態

第二次大戦後のデンマークは造船・農産加工・繊維といった伝統的産業が中心だった。しかし1970年代以降、日本の高度経済成長など世界経済の構造変化で「輸出モデルの再設計」を迫られ、80〜90年代にかけ高度技術・知識集約型経済へと転換した。

痩せ薬で一時、欧州最大の時価総額となったノボノルディスクはその象徴だ。人工知能(AI)創薬や量子コンピューティングにも取り組む。企業ガバナンスは「財団所有型」という北欧独特の形態を維持し、短期的な株主利益より長期的な社会価値を優先する。

フレキシキュリティーによりデンマークは造船から新産業へ労働力を円滑に移行できた。高等教育進学率は80年代の25%から2000年代には50%に上昇し、失業給付と再職業訓練も奏功。労使・官民間の協調が容易で、産業転換に社会的抵抗が少なかったことが推進力になった。

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プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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