コラム

スペイン、ポルトガル、南仏「大停電」の原因は「再エネへの移行」?サイバー攻撃めぐるデマも

2025年04月30日(水)16時56分

ウクライナ戦争を巡りロシアとの対立が深まる中、欧州連合(EU)は加盟国に対し72時間分の緊急キットに関するガイドラインを発行するよう改めて命じたばかり。それだけに大停電に疑心暗鬼が広がった。

ロシアや北朝鮮によるサイバー攻撃が欧州の電力網を攻撃したとのデマが飛び交い、テロ攻撃の可能性も取り沙汰された。スペイン当局はサイバー攻撃の可能性を調査した。

2つの発電所間の突然の接続断絶が原因か

スペインの送電事業者は29日、サイバー攻撃、人的ミス、気象現象の可能性を否定し、イベリア半島南西部にある2つの発電所間の突然の接続断絶が原因の可能性が高いとの見方を示した。

欧州委員会のテレサ・リベラ上級副委員長は「何らかのサボタージュやサイバー攻撃があったことを確認する根拠はない」と述べた。

ウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長が「欧州の主権に対する直接的な攻撃だ」としてロシアのサイバー攻撃を非難する声明を出したとの偽情報も拡散した。欧州委員会の首席報道官は「流れた声明は大統領の発言ではない。情報操作がどこまで及ぶかを示した」と指摘した。

ロイター通信、CNN、ガーディアンなど主要メディアは、ポルトガルの送電事業者が、スペイン内陸部の極端な気温変動による超高圧送電線の振動が電力システム間の同期障害を引き起こしたとの声明を出したと報じたが、送電事業者は「声明は出していない」と否定した。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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