コラム

脱炭素化が「新たな地政学」生む...COP29で「温室効果ガス排出81%削減」表明した英スターマー首相の皮算用

2024年11月13日(水)16時54分

脱炭素化は化石燃料とは違った地政学を引き起こす

スターマー政権を一言で表現すれば「愚直」である。EU離脱を選択した16年の国民投票以降、悪酔い状態が続いた前保守党政権に比べて政策が予測可能な範囲で安定し始めた。英国内企業や外資にとって投資環境が良くなったのは間違いない。

再生可能エネルギーや原子力発電などクリーンエネルギーへの移行は欧州全体としてロシアや中東へのエネルギー依存を減らし、欧州の安全保障を向上させる。しかし長短金利が大幅に低下し、インフレの後遺症が薄まらなければ、新しい産業や雇用を生み出すのは難しくなる。

原子力発電にはウラン、太陽光発電や風力発電にはリチウム、銅、コバルト、ニッケル、マンガン、希土類元素が必要だ。脱炭素化は化石燃料とは違った地政学を引き起こす。バイデン大統領、中国の習近平国家主席ら主要国首脳がCOP29を欠席したこと自体がその複雑さを物語る。

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プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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