コラム

韓国が、持てる者と持たざる者の格差を縮めるために必要なこと

2019年10月31日(木)19時50分

文在寅政府は最低賃金を引き上げると、所得が増えることにより消費が増加し、経済が活性化するという所得主導成長政策を継続的に推進してきたものの、最近の調査結果はその効果を表していない。最低賃金が2年間で29%も引き上げられたことにより、非熟練労働者が多い卸・小売業、飲食業、宿泊業の雇用量が減っている。生活費の調達など金銭的な理由で保険を解約する人も毎年増加しており、2017年の生命保険の保険解約還付金は23.7兆ウォンで、2016年より2兆円も増加している。OECDの勧告を反映して2015年から新しく産出している統計庁の「家計金融福祉調査」によるジニ係数も2015年の0.352から2017年には0.355に上昇している。

持てる者と持たざる者の間に広がる格差をどのように縮めるか、韓国政府は所得主導成長政策の修正等慎重な対策を講じる必要があるだろう。

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プロフィール

金 明中

1970年韓国仁川生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科前期・後期博士課程修了(博士、商学)。独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年からニッセイ基礎研究所。日本女子大学現代女性キャリア研究所客員研究員、日本女子大学人間社会学部・大学院人間社会研究科非常勤講師を兼任。専門分野は労働経済学、社会保障論、日・韓社会政策比較分析。近著に『韓国における社会政策のあり方』(旬報社)がある

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