コラム

デフレと低金利が常識だった日本人に、「価値観の転換」が迫られる

2021年12月07日(火)19時39分

国内の企業物価指数は急上昇しており、確実に企業の利益を圧迫しつつある。コスト削減での対応には限界があり、一部企業は既に最終製品の値上げに踏み切った。輸入が存在する限り、日本だけがインフレと無縁でいることはできないので、海外の物価高騰が続けば、いずれ最終製品の価格に転嫁されるだろう。アメリカは金融正常化に動く一方、日銀は量的緩和策をやめられない状態であり、これも円安と物価上昇を招く。

これまでの日本経済は、デフレと低金利、米中一体化による自由貿易が大前提となっていた。全世界的なインフレは、一連の前提条件を全て崩してしまう可能性を秘めている。仮に日本でも物価上昇が顕著となった場合、どこかのタイミングで金利も上昇に転じるだろう。

物価と金利が上がれば、企業の資金調達、安値販売を前提にした経営戦略、財政問題、住宅ローン、為替相場など、あらゆる分野に影響が及ぶ。日本社会が根本的な価値観の転換を迫られるタイミングはすぐそこまで来ているのかもしれない。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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