コラム

太平洋戦争の開戦に突き進んだ当時と変わらない日本「失敗の本質」

2021年08月05日(木)11時56分

太平洋戦争の直接的なきっかけは、アメリカのコーデル・ハル国務長官が突き付けた文書(いわゆるハルノート)だが、これは事実上の最後通牒であり、その時点で日本側に選択肢はなかった。

日米開戦の発端となったのは、1931年の満州事変と翌年のリットン調査団への対応だし、さらにさかのぼれば、南満州鉄道の日米共同経営をめぐって1905年に締結された桂・ハリマン協定の破棄が遠因であるとの見方もある。

日々の小さな交渉や対策の積み重ねとして事態は推移するので、単体として判断することには意味がない。日本政府が満州事変という軍部の違憲行為(統帥権干犯)を適切に処理していれば、先の大戦は避けられた可能性が高く、同じように国立競技場の問題が発覚した段階で組織のガバナンスを改革していれば、ここまでの事態には至らなかっただろう。

日本社会が抱える病理は戦後76年たった今でも変わっていない。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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