いくら太陽光発電所を作っても、日本の脱炭素政策が成功しない訳

ISSEI KATOーREUTERS
<経産省の試算で、ついに太陽光発電のコストが原子力を抜いて最安となったが、これから重要となるのはむしろ風力だ>
最も安価とされていた原子力発電に代わって、太陽光発電のコストが最安という試算結果を経済産業省が公表した。ようやく世界標準の認識に追い付いた形だが、中身をよく見るとまだ課題は多い。
試算では太陽光のコストだけが著しく安くなっているが、太陽光発電所ばかり建設することには弊害がある。洋上風力発電のコストを欧米並みに下げなければ日本の脱炭素政策はうまくいかないだろう。
経済産業省は2021年7月12日、30年時点の電源別発電コストの試算を発表した。それによると大規模太陽光発電のコストは1キロワット時当たり8円台前半~11円台後半となり、最も安いエネルギーとなった。15年の試算では太陽光は12.7~15.6円だったので大幅に安くなっている。
再生可能エネルギーの発電コストが圧倒的に安いことは世界の常識であり、そうであればこそ各国は再生可能エネルギーの導入を加速している。だが、日本ではどういうわけか再生可能エネルギーの発電コストは高いと試算され続けてきた。
太陽光についてはようやく世界標準に追い付いたが、洋上風力は26円台前半とまだ高い。海外では洋上風力の発電コストは8円台まで下がっていることを考えると、この差はあまりにも大きい。
電力需要や天候の精密な分析が必要
とりあえず太陽光だけでも世界標準に近づいたことは一歩前進だが、だからといって太陽光発電所ばかり建設することはやめたほうがよい。太陽光は昼間にしか発電できないが、電力需要も圧倒的に昼に集中するので、太陽光の場合、電力需要と発電量の動きは基本的に一致する。
だが夜間にはほぼゼロになってしまうことや、天候が悪いときには出力が落ちるという問題があるため、太陽光単独では弊害が多くなる。諸外国では電力ピークや天候などを精緻に分析し、太陽光と風力を最適な割合でミックスさせる方法がベストであるとの見解で一致している。
天候不順時に電力が足りなくなる問題はコストでカバーできる。太陽光も風力も本来は圧倒的な低コストなので、全国的に雲が多く、風も吹かないという最悪のケースを想定し、そのときでも最低限の電力を発電できるよう多数の発電所を建設しておけばよい。
小泉氏も高市氏も「大差なし」なのは、なぜ? 異例の総裁選に表れた「自民党の限界」 2025.10.02
「史上最高値」の株高を、日本は喜んでいいのか? 従来の価値観では全体像を見誤るリスクが 2025.08.29
-
外資金融機関での施設警備年収472万可能/夜勤あり/高時給/サポート体制万全/賞与支給/経験者OK
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 年収442万4,000円~472万円
- 正社員
-
外資金融機関での施設警備/経験者/稼げる仕事/教育制度あり/夜勤あり/賞与支給
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 月給35万円~37万円
- 正社員
-
外資金融機関での施設警備年収472万可能/サポート体制万全/高時給/賞与支給/夜勤あり/経験者OK
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 年収442万4,000円~472万円
- 正社員
-
外資金融機関での施設警備員/警備経験/夜勤あり/簡単な作業/月収366,450円可能/賞与支給
株式会社G4S Secure Solutions Japan
- 東京都
- 月給35万円~37万円
- 正社員