コラム

もはや「輸出大国」ではない日本が、経済再建のためにすべきことは?

2020年02月13日(木)12時46分

もし国内需要が少なく、国外需要が旺盛なら輸出を強化すればよいし、国内に十分な需要があるならわざわざ国外にモノを輸出する必要はない。より多くのお金が回ることで社会は豊かになるので、市場動向に合わせた経済運営を行うことが重要である。

一般的に社会が豊かになると国内消費が増えるので需要過多になりやすく、経済は消費主導で回るようになる。かつての日本は貧しく、国内消費が弱かったことから輸出主導で経済成長を実現したが、その段階は既に終了している。アメリカは世界からあらゆるモノを買い入れる豊かな消費国の頂点といってよい存在だが、日本も徐々にそうした国へと変貌しつつあるのだ。

だが日本の場合、消費国へのシフトが進んでいるにもかかわらず、国内の産業構造は依然として従来型のままとなっている。サービス産業に従事する労働者の割合が圧倒的に多く、彼らの支出が日本の消費を支えているはずだが、サービス産業の賃金は著しく安く、国内消費を低迷させる最大の原因となっている。

日本が注力すべきなのは、輸出を強化して貿易黒字を増やすことではなく、サービス産業の付加価値を上げ、賃金上昇を通じて国内消費を活発にすることである。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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