コラム

人口減少の日本が取り入れたい、デンマーク式「財団企業」の賢い経営

2025年06月14日(土)14時00分

この方式が優れているのは、株式を上場しながらも、ハゲタカファンドや物言う株主の短視眼的要求を気にせずに企業経営をできること、そして企業活動を営利と公益の間でうまくバランスさせやすいことだ。

英米系の事業家は、所有権を絶対視しがちだ。幹部や株主のエゴが優先され、社員は簡単にクビになったり、企業ごと身売りされたりする。その結果、格差丸出しの米経済のようになるのだから、この点でもデンマークの産業財団は参考になる。

人口縮小は怖くない。ゆとりある暮らしができるチャンスだ。ただ、人口縮小の途上で起こる人手不足や年金不足の問題を予測し、制度・予算を調整してAI活用や外国人招致などを進めることが必要だ。


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プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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