コラム

プーチンはソ連再興の野望に邁進している、のか

2022年01月22日(土)13時02分

ウクライナはもともと、NATO加盟の是非で世論が半々に分かれている国だ。だからウクライナのNATO加盟の是非は、米ロ合意のつまずきの石にはならない。

一方、カフカス、中央アジア方面の多くの国は内部のガバナンスが劣悪だからロシアが出ても泥沼にはまるだけ。アフガニスタンに駐留していた米軍の二の舞いになる。これら諸国はロシアもアメリカも中国も親身に面倒は見ない。悪くすると、恒常的に不安定ということになるかもしれない。

カザフスタンで起きたような暴動は、ロシアでも起こりかねない。昨年のインフレは8%を超えており、国民の多くは国外より自分たちの生活に気を配ってほしいと願っている。ソ連の再興どころではない。

だから西側は、そのロシアを追い込まず、軍備増強の無用なスパイラルを断つことだ。「帝国崩壊の後始末」――これが今、必要なことなのだ。

プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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