米中対立時代のサバイバル術──日本流「二股」戦術も限界か
欧米に圧迫された中国がロシアと共にユーラシアを経済圏で囲い込む、という恐れもあるまい。中ロだけで経済圏を発展させるほど技術革新はできないし、ユーラシア諸国はEUや日本との取引を優先するだろう。中ロ間の貿易でさえ元やルーブルを使うのは両国企業にとって煩雑で、ほとんどがドル決済だ。
それでも欧米から中国経済を完全に遮断することはできない。世界中の大手自動車メーカーが中国で100万台規模の生産をしているように、中国国内市場向けの分野には欧米の資本と技術が流入し続けるだろう。冷戦時代でさえ、日米欧の企業は競ってソ連に鉄鋼や化学工業、自動車のプラントを輸出した。
一度グローバル化したサプライチェーンを改造し、中国抜きの形を立ち上げるには時間がかかる。しかし軍需産業やサイバー技術面を中心に、力による支配拡張という帝国主義的思考を捨てない中国をグローバルチェーンから隔離しておくのは、日本の安全確保にもかなう。
今後も日本は米中二股を続けるにしても、「よく考えながら」の姿勢が必要になりそうだ。
<本誌2019年03月05日号掲載>
※3月5日号(2月26日発売)は「徹底解剖 アマゾン・エフェクト」特集。アマゾン・エフェクト(アマゾン効果)とは、アマゾンが引き起こす市場の混乱と変革のこと。今も広がり続けるその脅威を撤退解剖する。ベゾス経営とは何か。次の「犠牲者」はどこか。この怪物企業の規制は現実的なのか。「サバイバー」企業はどんな戦略を取っているのか。最強企業を分析し、最強企業に学ぶ。
【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>
チャットGPTに日本のポピュリズムについて聞いてみた! 2025.07.26
バンス米副大統領が信奉する新思想、「ポストリベラリズム」の正体 2025.07.11
トランプ肝いりの「ステーブルコイン」でドル急落? 2025.07.01
人口減少の日本が取り入れたい、デンマーク式「財団企業」の賢い経営 2025.06.14
アメリカが経済協力から撤退した今、日本が世界のODAで旗を振れ 2025.05.27
米国債デフォルトに怯えるトランプ......日本は交渉カードに使えばいい 2025.05.13
安倍元首相ならトランプに助け舟を出す...正反対な石破首相はどうすべきか 2025.05.02
-
外資系企業のファシリティコーディネーター 未経験OK・将来の幹部候補/都内 20代・30代活躍中
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給23万円~36万円
- 正社員
-
東京/外資系投資銀行のオフィス受付/未経験OK!想定年収322万円~ 土日祝休 20代・30代活躍中
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給23万円~30万円
- 正社員
-
東京/外資系企業/受付・事務/未経験OK・英語活かせる・月26万~ 20代・30代活躍中/土日祝休み
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給26万円~32万円
- 正社員
-
外資企業の受付/SV候補/英語活かせる・年休120日/六本木/土日祝休み/交通費支給
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給28万6,000円~35万8,000円
- 正社員