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台湾併合をみすえて暗躍する中国国家安全部
台湾併合に向けた動き
これまで見てきたように中国においては軍民の区別はなく、全てが国家のために統合的に活用されている。超限戦、ハイブリッド戦あるいは全領域の戦いといった表現をよく見かけるようになったが、日本はもちろんアメリカなど民主主義を標榜する国では、それらに充分に対応できていない。
今回取り上げたMSSは最近台湾に対して活発に仕掛けている。以前書いたように軍事侵攻は中国のオプションのひとつだが、現在優先されている選択肢ではない。しかし、なんらかの形で台湾併合を進めるのは確実である。
中国と緊張状態が続いているインドは2021年以降、継続的に電力インフラを狙った中国からのサイバー攻撃を受けている。その内容から中国のPLAおよびMSSの関与が疑われている。台湾でも2020年に国営エネルギー企業がMSS由来のサイバー攻撃を受けている。重要インフラをターゲットにするのは基本的な手順であり、台湾も同じように狙われ続けている。
また、2021年から活動しているVolt Typhoonと呼ばれる中国由来のグループがアメリカを中心とした国々の重要インフラをターゲットにしていることも報告されており、中国の台湾併合との関係が指摘されている。
台湾の重要インフラやネットワーク事業者やマネージドサービスプロバイダ(MSP)、クラウドサービス、VPNプロバイダはターゲットになっているだろう。ただし、軍事侵攻をともなわない併合が最優先オプションである限りは台湾の市民に甚大な影響を与える攻撃は控え(レッドラインは超えないように抑える)、多くは秘匿されたままでいくつかが示威的に露見される程度と考えられる。
台湾有事あるいは併合が現実になれば日本も他人事ではないのだが、いまだに危機意識は低いままだ。中国で国内企業に対して情報提供を義務づけた国情法が制定された後もTikTokは使われ続け、安価な中国製ヘルスメーターと連動するアプリはダウンロードされ、安価な中国製スマホも販売されている。アメリカと日本の個人情報の80%あるいは成人のほぼ100%が中国に把握されているといった指摘もあるくらいだ。日常生活が否応なく戦場と化している時代である以上、我々の日常と意識も変化せざるを得ないのかもしれない。
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