コラム

研究者ですがフェイスブックにアカウントを永久停止されました

2018年11月26日(月)20時45分

だったら、どの投稿が規定に違反しているか教えてくれといっても、もちろん完全無視である。このことも何度も要求したが、返ってくる返事は、全部一言一句同じで、取りつく島もない。ここまでくると、対応をしているのがほんとに人間かどうかすら疑わしくなってきた。もしや相手はAI(人工知能)か。

Facebookが「検閲」を人海戦術でやっているのか、AIのアルゴリズムを使っているのか知らないが、いずれにせよ、きちんと、反IS(イスラーム国)とか反アルカイダだとか区別できていない可能性はあるだろう。たしかにちょっと見、わからないしね。

hosaka181126-6.png

6月26日のメッセージもまったく同じ内容

その後も粘って、クレームを送りつづけたのだが、すると10月27日、ようやく文面が異なるメールがきた。でも、それは最後通牒であった。

hosaka181126-7.png

10月27日

おまえは、Facebookコミュニティーの規定に従っていないから、おまえのアカウントは永久に停止だ。いかなる理由であれ、おまえのアカウントを再開することはない。これがおまえのアカウントに関する最後のメールだ、と。

イスラエル側もアラブ側も「アカウントを停止された」と主張

ちょうどこのころ、わたしの専門分野が世界中で大騒ぎになっていて、こんなことにかかずらっているヒマはなかったので、もうFacebookとの交渉は諦めました。ときおり、Facebook上の「友達」やフォロワーの人からFacebookやめたんですか、とか、わたしのことバンした(ブロックした)んですかとか問い合わせがあるのだが、そうではありません。Facebookの規約に違反したとしてアカウントを永久停止されたのです。

Facebookのアカウント停止問題はあちこちで議論されている。われわれの中東業界はとくに政治的にセンシティブな問題が多く、よくFacebookにアカウントを停止されたとの話を聞く(日本の場合はあまり聞かないが)。

たとえば、イスラエルの研究者は、Facebookが親イスラエル、反ジハード主義のアカウントを取り締まっていると主張しているが、その一方、アラブ側、ムスリム側は、われわれこそがアカウント停止の標的にされているとまったく逆の主張をしている。

わたしのアカウントは結局、何が問題だったのだろう? 関係者のかたにはぜひとも教えてもらいたいものだ。もう立冬もすぎたが、「物言えば唇寒し秋の風」の故事が思い浮かぶ。とはいえ、物をいった自覚すらないのに秋風が吹いてしまうのは、ことさらに気分がよくない。

ニューズウィーク日本版 習近平独裁の未来
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年2月17号(2月10日発売)は「習近平独裁の未来」特集。軍ナンバー2の粛清劇は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」強化の始まりか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


プロフィール

保坂修司

日本エネルギー経済研究所中東研究センター研究顧問。日本中東学会会長。
慶應義塾大学大学院修士課程修了(東洋史専攻)。在クウェート日本大使館・在サウジアラビア日本大使館専門調査員、中東調査会研究員、近畿大学教授、日本エネルギー経済研究所理事・中東研究センター長等を経て、現職。早稲田大学客員上級研究員を兼任。専門はペルシア湾岸地域近現代史、中東メディア論。主な著書に『乞食とイスラーム』(筑摩書房)、『新版 オサマ・ビンラディンの生涯と聖戦』(朝日新聞出版)、『イラク戦争と変貌する中東世界』『サイバー・イスラーム――越境する公共圏』(いずれも山川出版社)、『サウジアラビア――変わりゆく石油王国』『ジハード主義――アルカイダからイスラーム国へ』(いずれも岩波書店)など。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏投資家心理、2月は予想上回る改善 25年7

ワールド

高市首相、食料品の消費税2年間ゼロ「できるだけ早く

ワールド

英元王子アンドルー氏、エプスタイン被告と公的文書共

ワールド

ウクライナ各地にドローン攻撃、子ども含む4人死亡
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日本をどうしたいのか
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 5
    韓国映画『しあわせな選択』 ニューズウィーク日本…
  • 6
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 7
    背中を制する者が身体を制する...関節と腱を壊さない…
  • 8
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 9
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 10
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 8
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 9
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 10
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story