印防衛企業がロシアに接近、西側との共同開発に支障 制裁リスクも
写真は握手を交わすロシアのプーチン大統領とインドのモディ首相。12月5日、インド・ニューデリーで撮影。REUTERS/Adnan Abidi
Shivam Patel
[ニューデリー 9日 ロイター] - アダニ・ディフェンスやバーラト・フォージを含むインド防衛企業の複数の経営幹部が今年、ロシアの首都モスクワで開かれた会合に出席して合弁事業の可能性について協議していた。事情に詳しい3人の関係者が明らかにした。
この会合は、ロシアによるウクライナ侵攻以降にインドの防衛産業代表団がロシアを初訪問した10月29-30日に開催された。団長は国防当局幹部のサンジール・クマール氏で、主な目的は12月4-5日のプーチン大統領によるインド訪問の準備だった。
アダニ・ディフェンスの親会社アダニ・グループと、バーラト・フォージの広報担当者は、自社幹部が会合に出席したことを否定。インド国防省や関係者が挙げたその他企業は、コメント要請に回答していない。
<ロシアとの関係再構築>
関係者2人と別の業界幹部によると、会合ではミグ29戦闘機のスペア部品や、その他ロシア製防空・武器システムの製造の可能性、さらにインド国内に生産拠点を設け、ロシアへの輸出も視野に入れた装備開発を行うというロシア側の提案について協議された。
ロシアは数十年にわたってインドの最大の武器供給国となっており、プーチン氏のインド訪問中に両国は「先進的な防衛技術やシステムの共同研究開発、共同生産」へと関係を再構築し、インドの防衛分野における自立を支援することで合意している。
<幅広い顔ぶれ>
関係者によると、会合にはインド防衛企業、国営企業、軍事用ドローンや人工知能(AI)開発に携わるスタートアップの代表などが幅広く参加した。
ミサイルなどの部品を製造するエンジニアリング複合企業カリヤニ・グループ傘下、バーラト・フォージの幹部は、ロシア製戦車・航空機向け部品調達ないし共同開発の一環として、また将来的なヘリコプター分野での協力の可能性を探るため出席した、と関係者2人が説明した。
富豪ゴータム・アダニ氏が率いるインド財閥アダニ・グループの防衛・航空宇宙部門アダニ・ディフェンス・アンド・エアロスペースは、アシシュ・ラジバンシ最高経営責任者(CEO)が代表として会合に参加したという。
複合企業タタ・グループの持ち株会社タタ・サンズや、建設大手ラーセン・アンド・トゥブロの防衛部門、電子機器大手バーラト・エレクトロニクスなど、500社を超える防衛機器メーカーが加盟するインド防衛製造業協会の幹部も会合に加わった。
<制裁リスク>
ただロシアとの協力は、モディ首相がインドを世界的な製造業大国にする計画を掲げる中、その一環としてインドの防衛企業が手がけようとしている西側との武器共同開発の取り組みを後退させる恐れもある。
西側の外交筋は以前、機密軍事技術をインドに移管する上で重大なネックとなるのは、印露の防衛協力や、インド軍が保有する兵器の約36%がロシア製である点だと指摘している。
ロイターが昨年伝えたところでは、バーラト・フォージのある子会社は欧州に砲弾を輸出したインド企業3社のうちの1社で、砲弾の一部はウクライナに移送され、ロシアが外交ルートで抗議する事態も起きた。
インドの業界幹部の1人は二次制裁のリスクを挙げ、インド企業はロシア側と新たな契約を結ぶことをためらうだろうとみている。
同国の防衛当局者は、外交的な働きかけやロビー活動を通じてインド政府がある程度制裁回避の道を提供できるとしつつ、企業は政治的リスクを自ら考慮する必要があるだろうとくぎを刺した。
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