インド長期格付け据え置き、ムーディーズ 財政規律の緩み警戒

9月29日、格付け会社ムーディーズは29日、インドの長期自国通貨建ておよび外貨建てソブリン格付け「Baa3」と、「安定的」としている格付け見通しをそれぞれ据え置いた。写真は5月、ムンバイで撮影(2025年 ロイター/Francis Mascarenhas)
[29日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズは29日、インドの長期自国通貨建ておよび外貨建てソブリン格付け「Baa3」と、「安定的」としている格付け見通しをそれぞれ据え置いた。
先月にはスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がインドの格付けを「BBB」へ18年ぶりに引き上げた一方、フィッチは高水準の財政赤字と債務を挙げて格付けを維持している。
ムーディーズは据え置き決定に際して、規模が大きく成長スピードが速い経済や、潤沢な外貨準備、財政赤字を賄える信頼性のある国内調達基盤といった強みは健在だと分析し、これらは特に米国の関税などの逆風に対する耐性をインドにもたらしてくれると分析した。
ただフィッチと同様に、政府が最近打ち出した消費喚起の措置によって歳入基盤が損なわれるとの見方を示した。
インド政府は最新の予算案で所得税の課税最低限度を引き上げたほか、今月に物品・サービス税(GST)の税率を引き下げた。
ムーディーズは、インドが高水準の債務負担に関して、負担能力がより高い格付けの国と同じ水準まで著しく改善すれば、格付けが引き上げられる可能性があると述べた。
そうした状況には必然的に、持続的な歳入増加や財政赤字縮小、より顕著な債務圧縮につながる財政措置が伴う公算が大きいとしている。