ロシア国防予算、26年は前年から減少 GDP比約7%

9月29日、 ロシアの2026年の国防予算が前年から減額される見通しだ。写真は5月、モスクワで行われた戦勝記念日のパレード(2025年 ロイター/Anton Vaganov)
Darya Korsunskaya
[ロンドン 29日 ロイター] - ロシアの2026年の国防予算が前年から減額される見通しだ。ウクライナでの戦闘が終結する兆しが見えない中での予算引き下げはアナリストらの間で疑問を呼んでいる。
政府が議会に提出した26年予算案によると、国防予算は13兆ルーブル(1570億ドル)と、ソ連崩壊後で最高額となった25年の13兆5000億ルーブルから減る見通しだ。ロイターが先週入手した財務省の初期文書では、12兆6000億ルーブルだった。
26年の防衛・安全保障関連支出は国内総生産(GDP)の約7%に相当する。総支出に占める割合は38%で、過去最高だった25年の41%から低下する。
関係筋によると、必要に応じて増額される可能性がある。議会は10月22日に予算案の審議を始める。
防衛支出の84%が機密扱いであるため、予算の実際の使途は分からない。
予算編成に詳しい情報筋はロイターに対し、「戦闘が活発化すれば、いつでも追加資金を投入できる」と明らかにした。別の情報筋は、実際の軍事支出は当初計画を上回ることがしばしばあり、他の種類の支出に隠されている可能性があると指摘する。
25年の実際の軍事支出は機密扱いになっているものの、公表資料によると軍事産業複合企業を支援する銀行、PSBに300億ルーブルが追加支出されたように当初計画比で増加したことを示した。警察・治安機関への資金提供が含まれる国家安全保障支出と合わせると26年度予算案の防衛・安全保障関連支出は16兆8000億ルーブルに達し、25年の17兆ルーブルにほぼ匹敵する。