解熱鎮痛剤の自閉症リスク、証拠なしとEU WHOは慎重な対応呼びかけ

欧州連合(EU)と英国の医薬品規制当局は、妊婦による解熱鎮痛剤「タイレノール」使用の安全性を確認し、タイレノールの有効成分アセトアミノフェンが自閉症リスクを上昇させるとしたトランプ米大統領の主張に異議を唱えた。世界保健機関(WHO)は23日、関連性を示す証拠には一貫性がなく、慎重な対応を呼びかけた。写真はWHO本部。1月撮影(2025年 ロイター/Denis Balibouse)
[ロンドン/ジュネーブ 23日 ロイター] - 欧州連合(EU)と英国の医薬品規制当局は、妊婦による解熱鎮痛剤「タイレノール」使用の安全性を確認し、タイレノールの有効成分アセトアミノフェンが自閉症リスクを上昇させるとしたトランプ米大統領の主張に異議を唱えた。世界保健機関(WHO)は23日、関連性を示す証拠には一貫性がなく、慎重な対応を呼びかけた。
欧州医薬品庁(EMA)は、妊娠中のパラセタモール(タイレノール)の使用について、EUでの推奨内容に変更を迫る新たな証拠はないとした。
「利用可能な証拠は、妊娠中のパラセタモール使用と自閉症との関連性をみつけていない」と声明で述べた。英国の医薬品当局は22日、パラセタモールの使用は安全だと表明した。
WHOの報道官は会見で妊娠中のパラセタモール使用と自閉症との関連性を指摘した研究があるが、その後の研究で確認されていないとし、「再現性がないため、安易に結論を出すことには注意が必要だ」と述べた。