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-中国が北京で軍事パレード、ロ朝首脳が出席 過去最大規模

2025年09月03日(水)12時46分

9月3日、中国は北京中心部の天安門広場で抗日戦争勝利80年記念式典を行った。写真は式典の会場に到着した習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記ら。代表撮影(2025年 ロイターSputnik/Alexander Kazakov)

Laurie Chen Joe Cash

[北京 3日 ロイター] - 中国は3日、北京中心部の天安門広場で抗日戦争勝利80年記念式典を行った。習近平国家主席は、ロシアのプーチン大統領や北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が出席した過去最大規模の軍事パレードの開幕に当たり、世界が平和か戦争かの選択を迫られていると警告した。

関税措置などでトランプ米政権と対立する中、中国の軍事力と外交力を誇示するために開かれた式典には、西側諸国から指導者はほとんど出席しなかった。

習主席は5万人を超える観衆を前に「今日、人類は平和か戦争か、対話か対立か、ウィンウィンかゼロサムかの選択を迫られている」と語りかけ、中国国民は「歴史の正しい側にしっかりと立っている」と訴えた。

オープントップのリムジンに乗った習氏は、広場に並ぶ部隊やミサイル、戦車、ドローン(無人機)などの最新鋭の軍事装備を視察。毛沢東が着ていたようなスーツを着用した同氏はこれに先立ち、20人以上の首脳にあいさつした。国内での抗議行動に直面しているインドネシアの大統領はサプライズで登場した。

習氏の妻である彭麗媛氏は、一部の来賓に「はじめまして」「中国へようこそ」と英語であいさつした。       

パレードは70分間にわたって行われ、戦闘機の編隊飛行も公開された。最後には8万羽の平和のハトと色とりどりの風船が放たれた。 

トランプ米大統領はパレードの開始と同時に自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に投稿し、中国が日本から自由を確保するのを支援した米国の役割を強調。「ウラジーミル・プーチンと金正恩によろしく伝えてほしい、米国に対して陰謀を企てているのだから」と追記した。

トランプ氏はこれに先立ち、記者団に対してはパレードを米国への挑戦とは見ていないと述べ、習氏との「非常に良好な関係」を改めて強調した。

アトランティック・カウンシルのグローバル・チャイナ・ハブのウェンティ・スン研究員は「習氏は状況が逆転したと確信している。今や中国が主導権を握っている」と指摘。「国際体制を巡る不透明感の最大の原因は、中国の戦狼外交ではなく、トランプ氏の一国主義だとの見方が世界的に広がっている」と述べた。

米シンクタンク、ブルッキングス研究所の外交政策アナリスト、ジョン・ツィン氏は「習氏は今回のパレードで、中国が軍事装備の近代化で目覚ましい進展を遂げたことを世界にアピールできる。また、人民解放軍の幹部粛清など根深い課題を覆い隠すこともできる」と指摘した。

ロイター
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