シリア、14年ぶりに原油輸出=暫定政府高官

9月2日 シリア暫定政府エネルギー省のリヤド・ジュバシ石油・ガス副局長は1日、ロイターに、貿易会社との契約の一環として、港湾都市タルトゥースから重質原油60万バレルを輸出したと明らかにした。写真は9月1日、タルトゥース港で撮影(2025年 ロイター/Mahmoud Hassano)
[タルトゥース(シリア) 1日 ロイター] - シリア暫定政府エネルギー省のリヤド・ジュバシ石油・ガス副局長は1日、ロイターに、貿易会社との契約の一環として、港湾都市タルトゥースから重質原油60万バレルを輸出したと明らかにした。シリアが公式に原油を輸出するのは14年ぶりとなる。
シリアは2010年に原油を日量38万バレル輸出した。アサド旧政権に対する抗議が翌年、内戦に発展し原油生産も含めて国内の経済やインフラが破壊された。アサド氏は24年12月に失脚した。
ジュバシ氏は複数のシリア油田から産出された原油だと説明したが、具体的な油田名は明らかにしなかった。
シリアの油田の大半はクルド人勢力が実効支配している北東部にある。クルド人勢力は2月、ダマスカスの暫定政府に原油を供給し始めたが、クルド人を含めた少数民族の権利を巡る懸念から暫定政府と関係が悪化している。
油田は内戦期間中に何度も支配権が入れ替わり、さらに米国や欧州の制裁が合法的な輸出入を複雑にした。制裁はアサド氏の失脚後も数カ月間続き、暫定政府はエネルギー輸入が困難になった。
しかし、トランプ米大統領が6月、シリア制裁解除の大統領令を出した後、米企業がシリアの石油と天然ガスの探査・採掘を支援するマスタープランの作成に着手した。