EU航空・海運燃料課税、10年間先送り検討

9月2日 欧州連合(EU)加盟国は長年棚上げされてきたエネルギー課税改革を前進させるために、航空燃料と船舶燃料に対するEU共通課税の導入を10年間先送りすることを検討している。写真は7月16日、ベルギーのブリュッセルで撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)
Kate Abnett
[ブリュッセル 1日 ロイター] - 欧州連合(EU)加盟国は長年棚上げされてきたエネルギー課税改革を前進させるために、航空燃料と船舶燃料に対するEU共通課税の導入を10年間先送りすることを検討している。ロイターが入手した草案で明らかになった。EU加盟国の交渉担当者は5日、ブリュッセルで開かれる会合でこの草案を協議する予定だ。
EU欧州委員会は2021年、気候変動対策に従ってエネルギー課税規則の見直しを提案し、加盟27カ国全体で二酸化炭素を排出する航空燃料と船舶燃料に段階的に課税していくこととした。
各国政府は見直しに抵抗してきたが、現在は航空燃料と船舶燃料の既存の課税免除をさらに10年間維持することを検討している。草案は「欧州委員会は35年に航空燃料と船舶燃料に対する課税の可能性を検討し、必要に応じて修正を提案すべきだ」と書かれている。ただ、最大19席の小型機と「私的な娯楽用」と認められる船舶のみが10年の期間内でも課税対象となり得る。
ただしEUの税制改正は加盟国の全会一致が必要となるため極めて難しい。
EU外交官によると、大規模な海運業や観光業を抱える加盟国はこれまで課税の見直しに反対してきたという。