ニュース速報
ワールド

タイ最大政党、次期政権で支持決定できず

2025年09月02日(火)13時43分

タイ議会の最大政党である野党の国民党は1日、次期政権を樹立するためにどの政党を支持するのかどうか決定を保留した。これでペートンタン首相(39)が失職後の先行き不透明感がさらに続くことになった。8月29日の記者会見でペートンタン氏(2025年 ロイター/Chalinee Thirasupa)

Chayut Setboonsarng

[バンコク 1日 ロイター] - タイ議会の最大政党である野党の国民党は1日、次期政権を樹立するためにどの政党を支持するのかどうか決定を保留した。これでペートンタン首相(39)が失職後の先行き不透明感がさらに続くことになった。与野党の2陣営は国民党が握る重要な票を巡って駆け引きを続けている。

国民党はどの政権にも加わらない方針だが、下院の約3分の1を占めている。憲法裁判所が8月29日、ペートンタン氏を倫理基準に反すると判断し解職を命じたことで生じた政治的な行き詰まりを打開するキングメーカーになり得る。

国民党の議員らは9月1日の会合で、ペートンタン氏の与党タイ貢献党を支持するか、6月に与党連立政権から離脱したタイの誇り党を支持するかどうかを検討した。

ペートンタン氏は富豪シナワット一族の出身者かまたは支援を受けた人物として、軍や司法が失脚に追い込んだ6人目の首相となった。

タイ貢献党はペートンタン氏の父で巨額の資産を有するタクシン・シナワトラ元首相が創設した政党だ。しかし、支持率低下に直面しており、連立政権の立て直しは難しい。一方、かつて連立政権を組んだタイの誇り党が政権樹立のため、国民党と手を組む余地が生まれている。

3日には臨時議会が始まる予定だ。下院の事務総長はロイターに対し、各党が候補者を指名する準備ができれば、今週中にも新たな首相選出投票を実施できるとの見通しを示した。

ただし、首相選出に必要な票数を確保できている政党はなく、選出までの過程が長期化する可能性がある。新たな政権樹立は期限が設けられていない。

今後の焦点となる国民党は、反体制色の強い前進党の後継政党。2023年の総選挙で第一党となったが、王党派の軍部と結び付いた議員らに阻まれて政権入りできなかった。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ「安全の保証」で進展=フィンランド大統領

ビジネス

サントリーの新浪会長辞任 サプリ購入を警察が捜査、

ビジネス

米アマゾンプライム会員登録、イベント拡大でも低迷=

ワールド

アフガン地震、犠牲者が1100人超に=支援団体
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 2
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シャロン・ストーンの過激衣装にネット衝撃
  • 3
    世界でも珍しい「日本の水泳授業」、消滅の危機にあるがなくさないでほしい
  • 4
    映画『K-POPガールズ! デーモン・ハンターズ』が世…
  • 5
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 6
    BAT新型加熱式たばこ「glo Hilo」シリーズ全国展開へ…
  • 7
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 8
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 9
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 10
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 3
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 6
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 7
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 8
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪…
  • 9
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 10
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中