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シカゴへの州兵派遣計画に抗議活動 市民数千人が行進

2025年09月02日(火)10時02分

 9月1日、トランプ米大統領が州兵と移民・税関捜査局(ICE)を大量派遣すると脅しているシカゴの中心部で数千人の人々が行進して歌ったり、シュプレヒコールを上げ、プラカードを掲げるなどの抗議活動を行った。写真は抗議の行進を行う人々。同日、シカゴで撮影(2025年 ロイター/Jim Vondruska)

Heather Schlitz Renee Hickman

[シカゴ 1日 ロイター] - トランプ米大統領が州兵と移民・税関捜査局(ICE)を大量派遣すると脅しているシカゴの中心部で1日、数千人の人々が行進して歌ったり、シュプレヒコールを上げ、プラカードを掲げるなどの抗議活動を行った。

トランプ氏は民主党が政権を担うロサンゼルスと首都ワシントンに州兵とICEを派遣したのに続き、次はシカゴを標的にすると約束している。

行進はレイバーデーの祝日に全米約1000カ所で行われた「大富豪より労働者を」デモの一環だが、シカゴではトランプ氏への反発が顕著に表れていた。

ブランドン・ジョンソン市長は群衆に向けて演説し、シカゴは連邦政府の介入に抵抗すると宣言。「この都市こそが国を守る」と述べると、シカゴ旗を振る抗議者から大きな歓声が上がった。

抗議者らが街を練り歩くと、レストランやカフェのテラス席に座る客らは拳を振り上げて応援し、自動車からは支持のクラクションが鳴り響いた。主催者側の推計によるとデモの参加者は5000―1万人。ロイターは直ちに市当局に人数を確認できなかった。

デモに参加したフィリベルト・ラミレスさん(72)は、ICE捜査官が追加派遣されれば暴力が起きると恐れており、「誰も傷付かないことを願う」と語った。

トランプ氏はここ数週間、シカゴを暴力犯罪の多い「地獄のような場所」、「殺害の場」だと名指ししている。しかしデモに参加した人々は、州兵を派遣しても犯罪の解決にはならないと言う。イボンヌ・スピアーズさん(67)は「確かに犯罪問題は存在する」が、「州兵はわれわれのために戦うものであって、われわれと戦うものではないはずだ」と不満をあらわにした。

市と州の指導者らは既に、州兵からシカゴを守るための対策を準備しており、派遣に異議を唱える一連の訴訟を起こす可能性が高い。

ロイター
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