豪レアアース大手ライナス、テキサス工場建設に不透明感 通期は大幅減益

豪州のレアアース(希土類)大手ライナス・レアアースは28日、米テキサス州の重希土類処理工場について、計画の進展にかなりの不確実性があると警告した。ライナスのロゴマーク。2021年撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
[メルボルン 28日 ロイター] - 豪州のレアアース(希土類)大手ライナス・レアアースは28日、米テキサス州の重希土類処理工場について、計画の進展にかなりの不確実性があると警告した。あわせて発表した通期決算は90%以上の減益となり、市場予想も下回った。
同社は現在、米国防総省とオフテイク契約(長期供給契約)について交渉中。「ライナスにとって受け入れ可能な商業的条件に基づく必要がある」と主張している。
アマンダ・ラカゼ最高経営責任者(CEO)は「当社は中国国外のサプライチェーン(供給網)構築への継続的な投資を強く支持する」とした上で「ライナスは中国国外のサプライチェーンの要であり、政策はそれを保護するような形で策定されることが重要だ」と述べた。
米政府は先月、ライナスと競合する米MPマテリアルズの筆頭株主になることで合意。最低価格も保証した。
ライナスが同時に発表した6月期決算は税引き後の純利益が800万豪ドル(520万ドル)となり、前年の8450万豪ドルから大幅に減少した。ビジブル・アルファがまとめた市場予想は3040万豪ドルだった。
施設拡張に伴う減価償却費の計上が響いたとしている。