米政権がCDC所長解任、就任1カ月足らず 厚生長官と対立か

8月27日、米厚生省は疾病対策センター(CDC)のモナレズ所長が退任したと明らかにした。就任から1カ月足らずでの退任となる。アトランタのCDC本部で同日撮影(2025年 ロイター/Alyssa Pointer)
Ahmed Aboulenein Dan Levine Michael Erman
[ワシントン 27日 ロイター] - 米ホワイトハウスは27日、疾病対策センター(CDC)のモナレズ所長を解任したと明らかにした。7月31日に就任したばかりで、1カ月足らずでの解任となる。ワクチン政策や公衆衛生指針を巡る対立が深まる中、CDCの幹部職員4人も辞任した。
ケネディ厚生長官は5月に妊婦と健康な子どもに対する新型コロナウイルスワクチンの接種推奨を中止したほか、6月には外部のワクチン専門家でつくるCDCの予防接種実施諮問委員会の全委員を解任し、反ワクチン活動家を含む新たな委員を起用するなど、ワクチン政策の全面的な変更を進めてきた。
ホワイトハウスのデサイ報道官はモナレズ氏について「米国を再び健全にするというトランプ大統領の政策に同調していない」とし、「モナレズ氏が厚生省指導部に辞任の意向を伝えたにもかかわらず辞任を拒否したため、ホワイトハウスは同氏を解任した」と述べた。
一方、モナレズ氏の弁護士は同氏が辞任した、あるいは解任されたことを否定し、「(モナレズ氏は)誠実で科学に献身的な人物で、辞任はしない」と言明。同氏が「非科学的な指針」を支持することを拒否したため、ケネディ氏の標的になったとした。
CDCのフーリー主任医務官は、自身と予防接種・呼吸器疾患センターのダスカラキス所長が辞任したとロイターに明らかにした。両氏はロイターが確認した辞表で、ワクチンなど健康に関する誤情報の拡大や科学に対する攻撃、公衆衛生の武器化、CDCの予算と影響力を削減しようとする動きを理由に挙げた。
新興・人獣共通感染症センターのジャーニガン所長も辞任した。NBCニュースによると、CDC公衆衛生データ・監視・技術局のレイデン局長も辞任した。