韓国大統領「日本と未来志向の協力模索」、解放80周年で演説

韓国の李在明大統領(写真)は15日、日本の植民地支配からの解放80周年を記念する演説で、日本と未来志向の協力を模索すると述べた。ソウルで7月に代表撮影(2025年 ロイター)
[ソウル 15日 ロイター] - 韓国の李在明大統領は15日、日本の植民地支配からの解放80周年を記念する演説で、日本と未来志向の協力を模索すると述べた。
また、南北協力の再開も模索し、軍事境界線沿いの緊張緩和を目的とした「9.19軍事合意」の復活を目指すと表明した。
李氏は韓日関係について、韓国の国益を重視した実際的な外交に基づく「未来志向」のものであるべきだと述べた。
同氏は23─24日の日程で日本を訪問し、石破茂首相と会談する。
9.19軍事合意は2018年の南北首脳会談で署名された。軍事境界線沿いの緊張緩和を目的としていたが、その後、緊張が高まる中で韓国政府が効力を一部停止したことを受け、北朝鮮は合意を破棄し、全ての軍事的措置を復活させると表明した。
今年6月に就任した李大統領は北朝鮮との緊張緩和を目指し、対話再開に意欲を示している。
同氏は「敵意は南北のどちらの人民にも利益にならない」とし、韓国は統一のために北朝鮮を併合する意図はなく、北朝鮮の現体制を尊重すると強調した。
また、活動家らが飛ばす風船による反北朝鮮のビラ散布の停止や、軍事境界線沿いに設置された宣伝放送用拡声器の撤去など、緊張緩和に向けた現政権の取り組みに言及した。
その上で「南北間の偶発的な衝突を防ぎ、軍同士の信頼を築くため、9月19日の軍事合意の復活に向けて積極的かつ段階的な措置を講じていく」と述べた。
国際社会との協力や米朝対話を通じて北朝鮮の平和的な非核化を引き続き目指す考えも示した。