豪7月就業者数は2.45万人増、失業率4.2%に低下 労働市場の底堅さ示す

オーストラリア統計局が14日発表した7月の就業者数は前月比2万4500人増加した。シドニーで2017年6月撮影(2025年 ロイター/Steven Saphore)
Wayne Cole
[シドニー 14日 ロイター] - オーストラリア統計局が14日発表した7月の就業者数は前月比2万4500人増加した。失業率は4.2%と、3年半ぶり高水準だった6月の4.3%から低下し、労働市場の底堅さを示した。フルタイム雇用が増加したことが背景。
統計を受け、オーストラリア準備銀行(中央銀行)の利下げの緊急性が低下し、豪ドルは対米ドルで0.3%上昇し、2週間ぶりの高値となる0.6566米ドルを付けた。
ただ、政策当局者は、インフレ率が予想通り低下し続ければ追加緩和を実施する見通しを示しており、市場では11月に25ベーシスポイント(bp)の追加利下げが行われる確率が完全に織り込まれている。
オックスフォード・エコノミクス・オーストラリアのマクロ経済予測責任者、ショーン・ラングケーキ氏は「今回のデータは状況が急速に悪化していないことを示唆しており、安心材料だ」と指摘。
その上で、「経済の勢いの弱さと世界的な不確実性は年内、労働市場にとって強い逆風となるだろう」と語った。
就業者数の伸びは市場予想とほぼ一致。6月はわずか1000人の増加にとどまっていた。7月はフルタイム雇用が6万0500人増加し、6月の落ち込みから回復した。
労働参加率は67.0%に低下し、労働時間は0.3%増加した。
7月は女性のフルタイム雇用が4万人増加し、女性の労働参加率が63.5%と過去最高を記録した。
中銀は失業率が今四半期に4.3%前後まで上昇し、当面その水準で推移すると予想しているが、これは歴史的に見ると依然として低い水準だ。
労働需要の先行指標は堅調で、求人数は依然としてパンデミック前の水準を50%近く上回っている一方、求人1件当たりの失業者数は2020年初めの3.1人から1.8人に減少している。