「夢物語だ」...金与正氏が「南北融和論」に強く反発、拡声器撤去も否定

8月14日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正党副部長は、同国が宣伝放送用の拡声器を撤去したことはなく、撤去するつもりもないと述べ、北朝鮮が韓国の融和姿勢に応じたとの考えは「夢物語」だとして拒否した。ロシアのアムール州で2023年9月、代表撮影(2025年 ロイター)
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正党副部長は14日、同国が宣伝放送用の拡声器を撤去したことはなく、撤去するつもりもないと述べ、北朝鮮が韓国の融和姿勢に応じたとの考えは「夢物語」だとして拒否した。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)が伝えた。与正氏は「韓国の対北朝鮮政策は変わっておらず、今後も決して変わることはないと確信している」と述べた。
韓国軍は9日、北朝鮮軍が南北軍事境界線付近の一部地域で対韓国宣伝放送用の拡声器を撤去する動きを確認したと明らかにした。韓国側も同様の措置を取っていた。
これを受けて韓国では、南北の緊張緩和を目指す李在明政権の政策に北朝鮮側が好意的に反応している可能性があるとの慎重ながらも楽観的な見方が出ていた。
KCNAによると、与正氏は米韓による合同軍事演習の計画変更は両国の敵対的意図を変えるものではなく、「無益」な動きだとも述べた。
また、米国と対話の席に着く考えはないとし、そのような可能性を示唆する報道は「誤った憶測」だと述べた。
韓国合同参謀本部の報道官は14日、軍事境界線付近の一部地域で確認された動きについて判断を変えていないとし、引き続き状況を監視していると表明。北朝鮮の発表に惑わされないよう注意が必要で、北朝鮮はしばしば「虚偽の主張」をしてきたと述べた。