豪、米産牛肉輸入へのバイオ安保規制解除 関税交渉の切り札に

オーストラリアは24日、米国産牛肉輸入に対する厳格なバイオセキュリティー(生物安全保障)規制を解除した。ロサンゼルスで2022年5月撮影(2025年 ロイター/LUCY NICHOLSON)
Renju Jose
[シドニー 24日 ロイター] - オーストラリアは24日、米国産牛肉輸入に対する厳格なバイオセキュリティー(生物安全保障)規制を解除した。トランプ米政権にとって二国間貿易の主要な懸念が払拭されるとみられている。
コリンズ農相は、バイオセキュリティーリスクを効果的に管理するため米国が導入した措置に満足していると表明。声明で「米国産牛肉輸入審査は過去10年間、厳格な科学的かつリスクに基づく評価を受けてきた。政府はバイオセキュリティーに関して決して妥協しない」と述べた。
豪紙オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューによると、オーストラリアは今回の規制緩和を、鉄鋼・アルミニウムへの50%の関税と薬品への200%の関税発動を表明しているトランプ大統領の方針撤回を引き出す切り札とする構え。
トランプ氏は4月、米国の牛肉生産が低迷する中でオーストラリアの対米牛肉輸出が昨年急増し、40億豪ドル(26億4000万米ドル)に達したことを受け、牛肉貿易が不均衡だと主張していた。