米、フィリピンに19%関税 マルコス大統領「大きな成果」

トランプ米大統領は22日、訪米中のフィリピンのマルコス大統領と会談し、米国とフィリピンが貿易協定を締結したと明らかにした。(2025年 ロイター/Kent Nishimura)
Andrea Shalal Trevor Hunnicutt
[ワシントン/マニラ 23日 ロイター] - トランプ米大統領は22日、フィリピンと貿易協定を締結したと明らかにした。米国がフィリピン製品に19%の関税を課す一方、フィリピンは米国に対する関税をゼロとする。
フィリピンのマルコス大統領とホワイトハウスで会談後、自身の交流サイト(SNS)に「われわれは貿易協定を締結した。フィリピンは米国に市場を開放する。ゼロ関税だ。フィリピンは(米国に対し)19%の関税を支払うことになる」と投稿した。
トランプ氏が4月にフィリピンに示した関税率は17%。その後、7月に入ってから20%の関税を通告していた。今回合意した19%はインドネシアと同水準。ベトナムとは20%で合意している。
トランプ氏はまた、米国とフィリピンが軍事的に連携していくことも明らかにした。ただ、詳細は明らかにしなかった。
マルコス氏はトランプ氏との会談冒頭で、米国はフィリピンにとって「最も強固、かつ最も親密で、最も信頼できる同盟国」だと述べた。
マルコス氏はその後、記者団に対し、米国との貿易協定は「大きな成果」だと強調。関税率が今月通告された20%から19%に引き下げられたことについて「1%というと非常に小さな譲歩に思えるかもしれないが、実際には大きな成果だ」と述べた。
また、フィリピンの自動車市場を開放し、米国からの自動車輸入に対する関税をゼロにすると表明。さらに、米国が大豆、小麦、医薬品の輸出を拡大するとした。さまざまな品目について、まだ多くの詳細を詰める必要があるとも述べた。
米国とフィリピンの2024年のモノの貿易額は235億ドル。米国のフィリピンに対する貿易赤字は約50億ドルだった。
ワシントンのシンクタンク、戦略国際問題研究所の東南アジア専門家グレゴリー・ポーリング氏は米国とフィリピンの貿易協定について、詳細が公表されていないため多くを語るのは時期尚早とした上で、「フィリピン政府は自国製品が近隣諸国に対する競争力を維持できる限り、最終的な数字を気にしないだろう。今回の合意はそうした競争力を維持するものだ」と述べた。