タイ、次期中銀総裁にウィタイ政府貯蓄銀頭取 政府との関係改善か

7月22日 タイの内閣は22日、次期タイ銀行(中央銀行)総裁にウィタイ政府貯蓄銀頭取(54)を任命することを承認した。写真はタイ銀行のロゴ。1月30日、バンコクで撮影(2025年 ロイター/Chalinee Thirasupa)
Orathai Sriring Kitiphong Thaichareon
[バンコク 22日 ロイター] - タイの内閣は22日、次期タイ銀行(中央銀行)総裁にウィタイ政府貯蓄銀頭取(54)を任命することを承認した。政府が発表した。
任期は10月1日から5年間。王室の承認も必要となる。
ウィタイ氏は、定年を迎えたため2期目を目指せないセタプット総裁の後任となる。
一部アナリストはウィタイ氏の総裁就任について、金融政策を巡ってセタプット氏と衝突してきた政府との協力関係が改善されると期待している。
ピチャイ財務相は、次期中銀総裁は国の債務問題に取り組むべきだと指摘。次期総裁は独立していなければならないとしつつ、政府の政策に沿う必要もあると述べた。
また、市場は中銀総裁人事に好意的な反応を示しているとも付け加えた。
ウィタイ氏は米ドレクセル大学で金融の修士号を取得し、タイのチュラロンコン大学とタマサート大学で経済学と法学の学位を取得している。
ユアンタ証券のアナリスト、ナタポン・カムタクルー氏は「対立の問題はないはずだ」としつつ、「政府の過度な干渉と思われないよう、慎重な配慮が必要だ」と注意も促した。
ウィタイ氏は今月、ソーシャルメディアへの投稿で、これまでのキャリアにおいていかなる団体からも影響を受けることなく、公共の利益を優先し、独立して行動してきたと述べている。
先月には、停滞する経済を支えるために金利を大幅に引き下げる必要があると述べたこともある。
クルンタイ銀行のエコノミスト、チャマダナイ・マークヌアル氏は、外部の人間であるウィタイ氏はより先制的な政策を推し進める可能性があると指摘。「これまで中央銀行で働いたことのない人物が就任することで、『アウトサイド・イン』の視点を持つことができるかもしれない。財政措置の余地は非常に限られているので、緩和的な政策を採用するのが正解かもしれない」と述べた。