ブラジル、北京に税務助言事務所開設へ 対中関係強化姿勢浮き彫り

ブラジル財務省は、外国人向けの税務に関する助言を行う事務所を中国の首都北京に開設すると明らかにした。写真は中国の習近平国家主席(右)とブラジルのルラ大統領(左)。5月13日、北京で代表撮影(2005年 ロイター)
Marcela Ayres
[ブラジリア 21日 ロイター] - ブラジル財務省は、外国人向けの税務に関する助言を行う事務所を中国の首都北京に開設すると明らかにした。
ブラジルは米国と貿易上の緊張が高まる中で、対中関係強化の姿勢が浮き彫りになっている。
ただ同省は、事務所開設と現在の貿易紛争は関係がないと強調。「政治的な動機は存在しない」と述べ、単純に中国との二国間貿易の重要性と、税・通関手続きについての協力深化の必要性を反映したものだと説明した。
ブラジルは米首都ワシントンやアルゼンチン首都ブエノスアイレスなど既に4カ国で同様の事務所を運営している。
事務所は、税務や通関手続きにおける違法行為の取り締まりに重要な情報の交換を通じて国際協力における「重要な役割」を果たすほか、外国の投資家などにブラジルの法制度へ対応する指針を提供して法的な透明性向上と事業環境改善に資するとされる。
ブラジルにとって中国は最大の貿易相手国。一方米国のトランプ大統領は、ブラジルのボルソナロ前大統領がクーデターを企てた疑いで起訴されたことを非難し、ブラジルからの輸入品に50%の関税を課すと表明した。