ハーバード大、補助金停止は不当と主張 「数百の研究が危機に」

7月21日、米ハーバード大学は、ボストン連邦地裁で開かれた審理において、トランプ政権が取り消した約25億ドルの連邦補助金の回復と、同大学への研究資金打ち切りの中止を命じるよう裁判所に求めた。写真は連邦裁判所前。同日、マサチューセッツ州ボストンで撮影(2025年 ロイター/Brian Snyder)
Nate Raymond Tim McLaughlin
[ボストン 21日 ロイター] - 米ハーバード大学は21日、ボストン連邦地裁で開かれた審理において、トランプ政権が取り消した約25億ドルの連邦補助金の回復と、同大学への研究資金打ち切りの中止を命じるよう裁判所に求めた。
司法省の弁護士は補助金取り消しについて、反ユダヤ主義を助長する機関に資金を供給しないという政府の優先事項を反映したものだと述べた。
「ハーバード大はがん研究よりもキャンパス内の抗議活動を優先した」と主張した。また、この件は金銭に関する紛争を扱う連邦請求裁判所の管轄であり、連邦地裁はこの案件を審理すべきではないと訴えた。
法廷審問は2時間以上にわたって行われたが、判決は下されずに終了した。
ハーバード大は裁判所が補助金の取り消しを違法であると宣言しない限り、がん治療、感染症、パーキンソン病などに関する数百の研究プロジェクトが危うくなると訴えている。
同大の弁護士は、政府が反ユダヤ主義と闘うという名目で研究資金を大幅に削減したものの、両者の間には関連性がないと指摘した。「政権は患者や一般市民、そしてこれらの研究が打ち切られることによる損害について全く考慮していない」と強調した。