中国銅輸入需要、米関税発表で急増 「洋山プレミアム」38%上昇

7月9日、中国における銅の輸入需要の指標となる「洋山プレミアム」が9日に1トン当たり40ドルと、11カ月ぶりの安値だった前日の29ドルから38%も急上昇した。2017年10月撮影(2025年 ロイター/Max Rossi)
[ロンドン 9日 ロイター] - 中国における銅の輸入需要の指標となる「洋山プレミアム」が9日に1トン当たり40ドルと、11カ月ぶりの安値だった前日の29ドルから38%も急上昇した。
トランプ米大統領が輸入される銅に50%の追加関税を課すと表明し、ロンドン金属取引所(LME)の指標価格が下落したことに伴って、輸入需要が高まった様子がうかがえる。
ラトニック米商務長官によると、銅の追加関税は8月1日までに発動される公算が大きい。
コモディティーの裁定取引を専門とするヘッジファンド、グリーンランド・インベストメント・マネジメント創設者のアナント・ジャティア氏は、洋山プレミアム高騰はLMEの市況軟化が想定されるためだと指摘。「米国に出荷される多くの銅は追加関税実施までに到着できず、LMEに戻ってくるだろう」と述べた。
洋山プレミアムは、米政府の銅スクラップ輸出方針を巡る不透明感にも押し上げられている。中国の買い手は昨年11月の米大統領選でトランプ氏が勝利して以来、米国からの銅スクラップ購入を減らしているものの、なお米国は中国への最大の銅スクラップ輸出国だ。