EXCLUSIVE-中国、コニャックの最低輸入価格で暫定合意 ＥＶ関税で進展要求

　複数の関係筋によると、フランスのコニャックメーカーは、中国と最低輸入価格の設定で暫定合意した。写真は展示されるコニャックボトルの資料写真。４月に仏コニャックで撮影(２０２５年　ロイター/Stephane Mahe)

Tassilo Hummel　Julia Payne

[パリ/ブリュッセル ２７日 ロイター] - 複数の関係筋によると、フランスのコニャックメーカーは、中国と最低輸入価格の設定で暫定合意した。ただ、中国側は欧州連合（ＥＵ）が中国製ＥＶ（電気自動車）に課した関税を巡る交渉で進展がなければ、最終合意には至らないと主張している。

中国ではコニャックの販売が落ち込んでおり、最終合意が成立すれば、業界大手のペルノ・リカール、レミー・コアントロー、ＬＶＭＨにとって朗報となる。

中国はコニャックなど欧州産ブランデーに対する反ダンピング調査の期限を７月５日に設定しており、期限内に合意が成立しない場合、既に導入している最大３９％の暫定関税を恒久化する可能性がある。

今回の暫定合意では、最も安価なコニャックである「ＶＳ」の最低輸入価格を１リットル当たり４６元（約６．３９ドル）、高級品の「ＸＯ」は４２４元、「ＸＸＯ」は６１３元（約８５ドル）からとなる。関係筋は、現在の関税を払うよりは「はるかに良い」条件だと指摘している。

ただ、フランス政府の関係者は、ロイターに対し、中国当局が一貫してコニャックとＥＶの問題を結びつけていると指摘。フランス政府はこの２つの問題を関連付けることを拒否したが、７月５日の期限までに正式な合意を締結できると慎重ながら楽観していると述べた。

ＥＵは不公正な補助金を理由に中国製ＥＶに対する関税を導入。その後、中国政府は欧州産ブランディーの調査を開始し、コニャックに暫定関税を課した。