EU、宇宙関連事業強化へルール刷新 単一市場創設で競争力向上

欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会は25日、急成長している宇宙産業に関する規制の見直しを含めた「EU宇宙法」について法案を提出した。2018年10月撮影(2025年 ロイター/Francois Lenoir)
[ブリュッセル 25日 ロイター] - 欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会は25日、急成長している宇宙産業に関する規制の見直しを含めた「EU宇宙法」について法案を提出した。EU域内で宇宙事業サービスを提供する企業に単一市場を設けるとともに、米国などに対する競争力を高めるための取り組みの強化を目指す。
数千もの衛星の軌道上に大量の破片が漂う「宇宙ごみ」の問題に対処するための措置も含まれる。
欧州委は、この法案で、サイバー攻撃や電子干渉の脅威に対処し、宇宙資源の環境的に持続可能な利用を促進すると説明した。具体的には、運用を終えた衛星を安全に処分することや、宇宙事業者に対するリスク評価とサイバーセキュリティー対策を義務化する。環境影響の測定に関する規則も策定する。EUと加盟国の宇宙資産、EUでサービスを提供するEU以外の事業者に適用される。
クビリウス欧州委員(防衛・宇宙担当)は「21世紀は宇宙の世紀、新たなフロンティアの世紀となる」とし、「宇宙革命の始まりに立っている。まもなく宇宙は壮大なものとなる」と述べた。
法案の成立には欧州議会と欧州理事会による承認が必要となる。