米の対イラン作戦、おとりの爆撃機投入で不意打ち 極秘に計画

米軍のイラン核施設攻撃作戦が始まった21日、ミズーリ州の基地からB2爆撃機の一団が離陸し太平洋のグアム島に向かっているのが確認され、専門家は攻撃に備えた事前配備の可能性があるとみていた。だが、米軍が22日明らかにしたところによると、これらの爆撃機はおとりだった。写真は米国の攻撃を受けたフォルドゥ地下核施設の上部を捉えた衛星画像。22日撮影。マクサー・テクノロジーズ提供(2025年 ロイター)
[ワシントン 22日 ロイター] - 「ミッドナイト・ハンマー」と名付けた米軍のイラン核施設攻撃作戦が始まった21日、ミズーリ州の基地からB2爆撃機の一団が離陸し太平洋のグアム島に向かっているのが確認され、専門家はイラン攻撃に備えた事前配備の可能性があるとみていた。
だが、米軍が22日明らかにした攻撃の詳細によると、これらの爆撃機はおとりだった。実際に攻撃を行ったB2ステルス爆撃機7機は東に向かい、探知されずに18時間飛行した。通信を最小限にとどめ、空中で給油を受けたという。
爆撃機がイラン領空に近づくと、米潜水艦が20発以上の巡航ミサイル「トマホーク」を発射。イランの戦闘機やミサイルを警戒し、米戦闘機がおとりとして爆撃機の前方を飛行した。
米国防総省によると、B2爆撃機は重量3万ポンド(約13.6トン)の地中貫通弾(バンカーバスター)14発を投下し、作戦には軍用機125機余りが投入された。
米軍制服組トップのケイン統合参謀本部議長は記者会見で、イランは米軍機に1発も発射できず、完全に不意を突かれたと指摘。「イランの戦闘機は飛行せず、同国の地対空ミサイルシステムも任務中ずっとわれわれを捉えていなかったようだ」とし、「われわれは奇襲の要素を維持した」と述べた。
また、作戦は極秘だったとし、「ワシントンで計画のタイミングや内容を知る人はごく少数に限られた」と述べた。
ヘグセス国防長官は、トランプ大統領が攻撃を命じた場合に米軍が対応できるよう、数カ月の準備期間を要したと述べた。ケイン氏は、作戦自体はわずか数週間でまとめられたと述べた。