中国レアアース磁石出荷、5月は前月から半減 輸出規制で

6月20日、中国税関総署が発表したデータによると、5月のレアアース(希土類)磁石輸出は1238トンで、4月から52.9%減少し、単月として2020年2月以来の低水準となった。写真は2010年10月、江蘇省連雲港で撮影(2025年 ロイター)
[北京 20日 ロイター] - 中国税関総署が20日発表したデータによると、5月のレアアース(希土類)磁石輸出は1238トンで、4月から52.9%減少し、単月として2020年2月以来の低水準となった。輸出規制が影響した。
4月の出荷量も3月から半減していた。
中国は4月上旬、トランプ米政権が打ち出した中国製品に対する関税措置への報復の一環として、防衛やエネルギー、自動車などの産業で使われる7種類のレアアースと一部の磁石を輸出規制の対象にすると発表した。
今月には貿易摩擦の緩和で米国と合意したことを受け、承認手続きを加速させると発表したが、業界関係者によると、税関当局はレアアース貨物の処理に慎重になっているという。
特にレアアース磁石については、さまざまな化学物質が存在するにもかかわらず、磁石を対象とするコードが1つしかないためだという。
5月の出荷量は前年同月比では74%減少した。
1─5月では前年同期比14.5%減の1万9132トンで、同期間としては21年以来の低水準となった。
中国は世界最大のレアアース磁石生産国で、世界の供給量の90%以上を占める。