英小売売上高、5月は23年以来の大幅減 好調だった前月の反動

6月20日、英国立統計局(ONS)が発表した5月の小売売上高(数量ベース)は前月比2.7%減少し、2023年12月以来最も大幅な落ち込みを記録した。写真は5月、ロンドンで撮影(2025年 ロイター/Carlos Jasso)
David Milliken
[ロンドン 20日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が20日発表した5月の小売売上高(数量ベース)は前月比2.7%減少し、2023年12月以来最も大幅な落ち込みを記録した。ロイターがまとめた予想中央値の0.5%減も下回った。好天が寄与し前月に消費が好調だった反動とみられる。
前年同月比では1.3%減と、24年4月以来最大のマイナスとなった。ロイターがまとめた予想は1.7%増だった。
前月比の落ち込みは主に、ONS統計担当のハンナ・フィンセルバッハ氏が「食品小売業にとって悲惨な月」と表現したように、アルコールとタバコへの支出が減少したことに加え、衣料品店での来店者数が減ったことや、DIY用品の需要後退が原因。
キャピタル・エコノミクスの英担当チーフエコノミスト、ポール・デールズ氏は「5月の小売売上高が前月比2.7%減と急減したことは、第1・四半期の好調な経済成長が終わったことを示すさらなる証拠となった。とはいえ、個人消費は今年、依然として他の経済分野を上回るかもしれない」と述べた。
英経済は2025年第1・四半期には予想を上回る前期比0.7%の成長を遂げたが、4月には不動産税減税の終了と米国の関税による打撃により縮小した。イングランド銀行(英中央銀行)は25年通年の成長率を1%と予想している。
4月の小売売上高は、この時期としては異例の晴天が需要を押し上げ、前月比1.3%増と堅調だった。