韓国中銀総裁、過度な利下げによる不動産価格高騰などの副作用を警告

韓国銀行(中央銀行)の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は12日、国内景気の低迷が続いていても「行き過ぎた」利下げは不動産価格高騰や外国為替紫綬のボラティリティー拡大につながりかねないと警告した。写真は李昌鏞総裁。ワシントンで23年4月撮影。(2025年 ロイター/Elizabeth Frantz/File Photo)
[ソウル 12日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は12日、国内景気の低迷が続いていても「行き過ぎた」利下げは不動産価格高騰や外国為替紫綬のボラティリティー拡大につながりかねないと警告した。韓国銀行創設75周年の記念講演で語った。
トランプ米大統領の関税強化や低調な内需を踏まえ、中銀は5月29日の会合で政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げて2.5%にすることを決定。今後も利下げをする意向を示唆した。
一方で李総裁は「差し迫った理由で景気刺激的な政策に頼り過ぎると、その後により大きな副作用が生じるかもしれない。例えば政策金利を過度に下げれば、不動産価格の上昇を引き起こす大きなリスクがある」と指摘。
さらに、過剰に利下げをすれば「米連邦準備理事会(FRB)が利下げのペースを調整し、主要国との貿易協議を巡る不確実性が増大する可能性がある中で、内外金利差が今後拡大し、外為市場のボラティリティーを高めてしまう」と警鐘を鳴らした。