英海運当局、中東の緊張高まりで海運業界に注意喚起

6月11日、英海軍の関連機関である英国海運貿易オペレーション(UKMTO)は、中東における緊張の高まりが軍事活動の拡大を招き、重要な航路での海上輸送に影響を与える可能性があるとの見方を示した。写真は、英国最大のコンテナ港、フェリクストウ港。2022年8月、英国で撮影(2025年 ロイター/ Toby Melville)
[ロンドン 11日 ロイター] - 英海軍の関連機関である英国海運貿易オペレーション(UKMTO)は11日、中東における緊張の高まりが軍事活動の拡大を招き、重要な航路での海上輸送に影響を与える可能性があるとの見方を示した。
世界の石油や穀物などの主要な商品の大半が、中東地域の交通量の多い航路を通過する。
米国とイランは今週、イランの核計画について協議を行う見込みだ。米政府は協議が決裂した場合、軍事行動も辞さないとの姿勢を示し、イランは11日、紛争が発生した場合、同地域内の米軍基地を攻撃する可能性を示唆した。
UKMTOは船舶に対し、ペルシャ湾、オマーン湾、ホルムズ海峡を通過する際は注意を払うよう助言したが、警告の根拠となった緊張の高まりの内容については明示していない。
これとは別に英海上警備会社アンブリーは11日、「イスラエル関連の商品輸送船に対する報復的な軍事行動のリスクが高まっている」と分析し、「米国がイスラエルの攻撃に相当の支援を行った場合、米国の船舶と米貨物を搭載する船舶に対するリスクが高まるだろう」と述べた。
海運業界と保険会社関係者らは、イスラエルとその宿敵イランの行動が波及する懸念が特にペルシャ湾周辺と隣接海域で高まっていると指摘した。