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米海兵隊700人がLA到着、州知事「民主主義への攻撃」 夜間外出禁止

2025年06月11日(水)13時33分

トランプ大統領の命令を受け、約700人の米海兵隊員が10日、米カリフォルニア州ロサンゼルスに到着した。9日撮影(2025年 ロイター/U.S. Northern Command via X/Handout via REUTERS)

Phil Stewart Brad Brooks Jorge Garcia

[ロサンゼルス 10日 ロイター] - 不法移民摘発に対する抗議デモが続く米カリフォルニア州ロサンゼルスに10日、トランプ大統領の命令を受け約700人の米海兵隊員が到着した。トランプ米大統領は州兵や海兵隊の派遣の正当性を主張。カリフォルニア州のニューサム知事は「民主主義が攻撃されている」と非難した。

6日に始まった抗議デモは一部が暴徒化し、警察がゴム弾などを使ってデモ参加者を制止し逮捕者も出ている。10日の逮捕者数は197人と、前日までの総計の2倍以上に上った。

バス・ロサンゼルス市長は10日、市の中心部の一部に夜間外出禁止令を出した。10日にトランプ氏と電話会談する意向を示した。

ニューサム州知事はビデオ演説で「現職大統領によるこの厚かましい権力の乱用は、一触即発の状況を引き起こし、国民、警官、州兵さえも危険にさらした」と指摘。「彼は再びエスカレーションを選んだ。さらなる武力行使を選んだ。公共の安全よりも劇場的な演出を選んだ。民主主義は攻撃を受けている」と主張した。

<トランプ氏、派兵正当化>

トランプ大統領は、抗議活動鎮圧に向けてすでに州兵4000人を動員。10日時点で約2100人がロサンゼルス大都市圏に配置された。

派遣された海兵隊について、逮捕権限がなく、連邦政府の人員と財産を保護することが任務と当局者は説明している。

軍隊派遣にかかる費用は推計約1億3400万ドルに上るとみられる。

トランプ大統領は大統領執務室で記者団に対し、州兵の派遣がなければロサンゼルスは「今ごろ燃えているだろう」と述べ、危険がなくなるまで州兵は駐留し続けると語った。ノースカロライナ州フォートブラッグ陸軍基地での演説では、「ロサンゼルスを解放する」と述べ、自身の決定の正当性を主張した。  

ロイター
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