午後3時のドルは143円後半へじり安、不透明感晴れず

6月12日 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安の143円後半で取引されている。写真は1ドル紙幣で、2021年11月撮影(2025年 ロイター/Murad Sezer)
Shinji Kitamura
[東京 12日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安の143円後半で取引されている。関税に関する米中交渉が合意に至ったと伝わったものの詳細は不明で、不透明感がくすぶる下、疑心の売りに押される展開となった。
ドルは朝方の高値144円半ばから上値の重い展開が続き、午後には一時143.69円まで下げ幅を拡大。今月6日以来、約1週間ぶり安値を付けた。
市場では、米中が合意に至ればドルが買われるとともに、リスク選好の円売りが強まる公算が高いとの見方が大勢だったが、合意内容が不明確で「(内容が)よく見えず反応できない」(国内証券アナリスト)と困惑する声が多く聞かれた。
トランプ米大統領によると、中国は米国にレアアース(希土類)類を供給する一方、米は中国人学生の大学入学を認めることで合意したが、それ他の内容は不明で、中国も詳細を明らかにしていない。ラトニック米商務長官によると、米国は55%の対中関税も維持する。
トランプ氏が日本時間12日朝、今後1─2週間以内に数十カ国に関税に関する合意 条件をまとめた書簡を送り、各国がそれを受け入れるか拒否するかを決める、と述べたこ とも、楽観ムードに水を差した。現行の交渉期限は7月8日で、書簡が2週間以内の決定 を求めるものとなれば、期限が事実上前倒しとなる可能性もある。
12日に米国で発表される卸売物価指数(PPI)に関心を寄せる声もあった。前日の米消費者物価指数(CPI)発表後、ドルが144円前半へ1円超急落する大きな値動きとなったためで、バークレイズ証券為替債券調査部ヴァイスプレジデントのラムスレン・シャラブデムベレル氏は「もう少し先だと思うが、関税の影響が早めに現れるかを見極めたい」と話していた。
ただ、前日のドル急落は「CPIの詳細に見るべきところがあったわけではなく、トランプ氏の発言などの影響が大きかったのではないか」という。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 143.73/143.74 1.1527/1.1529 165.69/165.71
午前9時現在 144.18/144.19 1.1509/1.1511 165.95/165.97
NY午後5時 144.54/144.57 1.1487/1.1488 166.07/166.09